活動送られてきたグッズ(書籍)

ニッポン核武装再論




函館で道場通いの生活をしている軍学者・兵頭二十八氏から、核武装本か贈られた。
「ニッポン核武装再論」
(並木書房)兵頭二十八
ISBN4-89063-168-2
 弾道ミサイルを撃墜する夢のシステムに何兆円も突っ込むよりは、「ニッポン
核武装」という現実的で簡単な方法を採るべきという論は、確かに間違ってはい
ないだろう。しかし、核兵器ナシの呑気な政策で、ニッポンはなんとか60年近
くもやってきてしまっていることも現実である。核兵器を持たないから、情けな
い外交で金をせびり取られているとのことも当たっているだろう。しかし、日本
が世界トップクラスの豊かで自由で楽しい国であり続けていることも現実だ。
 アメリカでは、核発射の決定&実行権限が、いかに国家中枢で厳重管理されて
いるかが述べられている。その厳重管理なくして核武装は危険ということなら、
日本に核武装は似合わない。満州事変起こした石原莞爾を英雄にしたくなるのが
「日本的」というやつであるなら。今の日本で、一個人またはどこかの組織に
「核発射の決定&実行権限」の全権を与えたいと思えるだろうか。政権中枢の支
配機能がしっかりしている国よりも、石原莞爾のような者が暴れて国家を翻弄し
てしまえる国のほうが楽しそう。

 核兵器の技術、ミサイルの技術についても、本書では詳しく触れている。これ
らの技術が高いものであればあるほど、軍事技術に邁進する愚かさを実感させて
くれる。所詮は、破壊であり殺しであり汚染でしかない。破壊は製作よりレベル
は低く、殺しも生み育てることよりチャッチャとできるし、汚染なんて簡単だ。
つまり、軍事技術のゴールってそんな低次元なものなんだよね。幼稚な目的のた
めの高い技術ってのも、豊かになった国の納税者のゆとりってことかな。

                     (加藤健二郎)