「だいたいは大丈夫！」
 
 著：本多豊國
 (日新報道)
 ISBN4-8174-0508-2

＜感想＞
著者の本多豊國氏は、しゃべっていると非常に盛り上がる。呑気さと厳しさを両
方もっていて、さらに堕落することもできる人だ。本多さんの話がおもしろく、
しかも内容が濃いと感じたのは、芸術家でありながら「センス」という言葉を使
わなかったこと。よく「センスがない」「センスがある」という評価を芸術世界
の人から聞くことがあるが、これほど抽象的で役に立たなくて不親切で薄っぺら
な表現はない、と、センスのない私はいつも感じていたからである。本多さんは
「１０年間、自分の掌の絵を書き続けてみなさい。それができる人は、誰でも立
派な絵が描けます」と。                                
                                                         （加藤健二郎）