活動活動予告

「流転 追放された高麗人と日本のメロディー」

(岡田一男コーディネート)


チェチェン報告会で司会と挨拶を担当している岡田一男がコーディネーションいたしま
した熊本放送のドキュメンタリー番組「流転 追放された高麗人と日本のメロディー」が
2月11日、10:30〜テレビ朝日ほかで全国放送されます。
主テーマは、日本帝国主義の国外進出と共に朝鮮半島に渡った日本初のワルツ曲
「美しき天然」が、朝鮮で望郷の心を唄う思郷歌に変身し、貧窮の中、植民地朝
鮮からロシア領沿海州に流出したコリアン・ディアスポラの愛唱歌となり、
この歌もまた、1937年の強制移住によって中央アジア、カザフスタンに広がり、
今に至るも歌い継がれており、ソ連崩壊後の激震によって、それが南ロシアにま
で広がった数奇な運命の
お話しですが、カメラの眼は、高麗人と運命を共にした民族としてチェチェン・
ディアスポラの現況を視野の内に収めています。
昨年春、在イングーシ難民キャンプ在住のチェチェン人たちが、かような苦しみ
が続くなら、かつての強制移住の地、カザフスタンに戻った方が、まだましと
カザフスタン共和国ナザルバーエフ大統領に、集団移住を嘆願して注目を引き
ました。ロシアのマスコミが伝えたところでは、カザフスタンは、ロシアとの
友好関係を重んじ、経済的にもチェチェン難民の受け入れは不可能と、国家と
しての受け入れを拒みました。またカザフスタン在住チェチェン・ディアスポラ
組織も親ロシア的で受け入れに否定的だということでした。
 確かに表面的には、そうなのですが現実的には、昨年夏に取材した結果は、この
番組のご覧いただくような現状で、1944年の強制移住を少女時代に体験し、
60年後、再びカザフスタンに戻ってきた老女が、その体験をはっきりと証言して
くれました。その老女を取材することを勧めてくれたのは、カザフスタン在住
チェチェン・ディアスポラ組織、「ワイナハ」のリーダーでした。

また、南ロシアに進出を果たした高麗人マフィアは、ロシア当局のチェチェン人
雇用阻害の圧力をいなして、自分たちの農場にかつての仲間である、チェチェン
人農民を招き入れています。

こうしたポイントにご注目いただければと思います。

          (文:岡田一男)