ひまひま>南の島

溶岩流のオーラ



ハワイ島の南東地域。
いかにも南国の風景だが、左端の道路標識は地名が消されている。
ほどなく路面は荒れ、しばらく進むと、車窓はこんな。
さっきの道路標識は、行き先がなくなっちゃったから消されてたんだ。
そしていつしか、黒い世界が広がっていた。
黒く重い雲が立ち込めている右手はキラウェアの火山方面。
逆に、左へずずっと身体を回転させると、青い海に黒いビーチが見えた。
上の画像と同じ瞬間の連続した風景とは思えない、空と色だ。

岩みたいに見えるのは、溶岩流が瞬間凍結したもので、手前は砕けた溶岩の砂利。
シュールな風景だ。

ここから先は車では行けない。
海を左手にちょっと進んでみると、
延々と溶岩流凍結原野が続く。地面は遠目に見たときより足場が悪い。
ガラスの洗濯板が地震で地割れし、めくれ上がった道路状になっているというべきか。

でも、松坂慶子や内田恭子が来たらしい。

いろんな表情のうねり模様やクレバスが、妙にきらきら
しながら続いている。ガラスのように鋭利なので転ぶと危険だ。

さらに進むと、雲だか水蒸気だかよくわからない湿度が高くなり、
空気の温度もどんどん上昇していく。
この地域全体がサウナのようだ。
おお。燃えている溶岩流だ。動いてる。

ねっとりしてるようでいて、けっこう速い。
ぼけっと見てると迫ってくる。

ハワイ島には、オーラが見えると日本の有名人がお墨付き(?)を与えた
溶岩トンネルもあったが、そこで何も感じなかった鈍感人も、地球の
内部が地表で脈打つ様には、吠えたくなるほどの何かを感じてしまう。
興奮しながらも消耗したので、サウナ地帯を後にして帰路につく。
はるか彼方の白い建物が目印だ。
やっと到着。海のウソの様に鮮やかな青がまぶしい。
この生活インフラの一切ない海岸にたつ建物は、大学の研究施設らしい。
生活インフラがなくてもしっかり芽生えた、感動の生命力。