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ノマドバブルにはカトケンはあまり関連がないとおもっていたら、
そうでもなかった。なぜ関連ないと思っていたかというと、カトケンの周囲で
は、ノマドをテーマにする人にはギャルが多かったため、女性の生き方の中の1
つと勘違いしていたからでした。もう1つは、ノマド=遊牧民、なのだが、住所
固定の自宅を拠点としてて遊牧してないし、引っ越しもかなり長いことしてない
し、ってことで。だけど、仕事の契約形態が流動的フリーランスだとノマド合格
らしい。 右端の「女ノマド、1人砂漠に生きる」は、 結果的には、現代の遊牧民は、遊牧民として自己完結した生き方なんてできなく て、親戚とかに車で補給してもらったりしてやっと成り立ってるんだよ、という 種明かし本になっていたのが良い。また、砂漠の生活は退屈でつまんない、と か、水の使い方で叱られたとか、そういう負の部分がちゃんと書かれていて、 「遊牧生活って素敵、大自然は美しくて癒される」なんていう嘘はない。力の抜 けた感じが、正直っぽくていいのかも。 著者の常見藤代さんと知り合ったのは、3冊目カトケン本出版のころだったか。 |
で、この「ノマドと社畜」がノマドバブルの旗手。
海外の優れたノマドの具体例が紹介されているが、
今、日本で注目なのは、低空飛行ノマド術だと思う。
「社畜になれる能力ないからノマド」というジャンル。
こういう能天気本が若者をさらにダメにすると、著者の谷本真由美さんには叱ら
れそうだが、人生の成功は稼ぐことでも尊敬されることでもなく、自分が楽しい
こと。
とすれば、カトケン本で人生転向した人の多くは、
楽しくやってることになってる。 「ノマドは孤独」ということがちゃんと書いてあった。そう、仲間とワイワイと か社交界で賑やかに、が好きな人よりも、孤独であることが至福、と感じる人向 き。この孤独な人生空間が、他人や時代に流されないアイデアを創出する。この 孤独空間は大事な戦略物資なので、それを侵す家族とか共同生活者は持たないほ うがいいね。 日本は労使契約等が曖昧な国なので、ノマドの立場はよくならないとのこと。一 方、英国は、労使契約、ビジネス契約がベースでしっかりしている国なの で・・・、という国情の違いを説明している。 ただ、ここで書かれていないことは、英国では、この契約内容が非常に危険だ ということ。英国を代表する大企業でも、大量解雇に追い込むためのようなトン デモ契約書を全社員にまわしてサインを迫るケースがあると聞く。契約書の英文 は、ちょっと英語に堪能ってくらいでは正確に解読できないので、そのジャンル 専門の弁護士に依頼して解読(もちろん高額)してもらわないと。 どうトンデモ系かというと、東長崎機関が直接ゲットした話では、「今まで積 み立てた年金の受取を全て放棄する」と解釈できる内容のもあったという。他 に、退職金を放棄して退職するみたいのもあったと。それらが、法律専門的な難 易度高い英語で書かれていると。 しかも不利な契約書にサインして解雇になった社員が、労働争議を起こした ら、会社側に裁判で「契約書違反」と告訴されて賠償請求が来たというのもあっ たらしい。バカをとことん追い詰めて食い物にするのが英国。逆に優秀な人に とってはゲームフィールド。訴訟大国っつうと米国のイメージあるが英国のほう が大先輩か。「大英帝国ってのは、武力だけでなく契約文書で世界の2割強を席 巻したんだよ」って。 「ノマドと社畜」では、日本企業の新卒一括採用に対する「NO」を突き付けて いる。英国では経験者を採る傾向かが強いため、インターンとして実務経験を積 む過程で、厳しい競争があると。しかし、欧米やその他の国にも、日本の新卒一 括採用的な大きなシステムがある。それは、軍隊である。特に、徴兵の軍隊。つ まり、ピカピカの新人一括採用にも理はある。日本方式が必ずしも劣っていて遅 れているわけではないことは、各自の頭脳で反証してみるテキストになる。ここ では論じないが、軍隊の主力は、経験者の随時採用ではダメなのです。 |