ヒマヒマなんとなく感想文|

「桃色ゲリラ」


(加藤健二郎 2007.5)

「桃色ゲリラ--PEACE&ARTの革命」増山麗奈 社会批評社

かなり、痛快な暴露本だ。
ここに何度も、セックスの相手として出てくる「志葉さん」は、 著者増山麗奈の2人目の旦那、志葉玲くんである。

増山麗奈と寝た男は、かなりの高い確率で性癖とかも克明に書かれている。 そして、増山麗奈自身の性癖についても逃げてない。男の背中でおしっこするの が好きだとか、自分自身のこともここまで暴露してるから、誰も文句をいわな い。当然、前の旦那さんのことはいっぱい書かれている。

読んでいけば、2人目の旦那、志葉くんに対しては、増山麗奈はそれほど愛はな く、できちゃった婚であることは感じ取れる。こんなふうに、序列をはっきり表 現してしまったているところも、本当っぽくておもしろい。「本当っぽい」って 感じるのは、両者とも、カトケン自身が直接の知り合いだから。

平和活動家といっても、自分の日常生活のドタバタのほうが、イラクの戦争なん かよりずっと大事なことであるという、重さ比較がこの本からはよくわかる。
世の中の多くの人は「外国の戦争ストップのために自分を犠牲にするなんて、そ んなの偽善だ。平和活動って偽善っぽくて嫌いだ」と感じている、それに対する 答として「自分のつまらん日常のほうが大事に決まってんじゃん」と、文字その ものでは表していないが、それぞれの内容の熱さ比較から伝わってくる。

日本人イラク人質事件で、人質がバッシングされた件では 「社会運動に関わる人々の失礼さに日常から接し、彼らに対する漠然とした不満 感が累積・・・・自己責任につながったのではないか」と述べているが、活動家 にもこういう視点があるのはよいことだ。でもその他主勢力の「正しい」活動家 さんたちは、それを認めたくないから、気づかぬふりして素通りだろう。