1985年10月、福岡県北九州市若松区、響灘。 夕立が上がって、風が強くなったと思ったら、ぶ厚い雲がちぎれ始めた。 「もしかしたら、雲のちぎれ目から、スパッと放射光線が来るかもしれない」 この光景を見ていた人なら、誰でもそう思ったことでしょう。 違いは、そこであわててカメラを構えるか否か。 放射光線が上にも下にも、パランスよく散ったのは一瞬だった。