ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

佐賀県が注目されている 7




◆地図3
西九州自動車道ルート変更案
フル化される見込みのない伊万里湾大橋も大洲道路と同じように利用できないだ
ろうか。

 伊万里市の南側の丘陵には西九州自動車道の計画がある。西九州自動車道は北
東の 北波多から国道202号の南側を併走し、伊万里市街は伊万里BPの南側
の丘陵地を 通過し、北西の松浦方面に抜ける。伊万里市から見れば、伊万里市
街を避けるU字状 のルートである。このルートのメリットは交通量の多い伊万
里市の南方向に伸びる放 射道路(国道498号武雄方面、国道202号佐世保
方面、国道498号佐世保方 面)と伊万里市街を回避して接続できることである。

 長大トンネルは不要だが、丘陵 地を抜ける山岳ルートなので構造物の多い高
価な高速道路になる。また、先述のよう に伊万里市通過交通の主軸ではないの
で、交通需要は多くない。したがって、2車線 の対面通行になるだろう。伊万
里市街の通過だけならばフル規格の伊万里BPで十分 なので、市街地回避だけ
の利用も期待できない。不採算路線になることはほぼ間違い ないだろう。道路
行政見直しのあおりで永遠に建設されないルートになる可能性もあ る。少なく
とも福岡から北波多までは供用区間を含め、着手している。今更頓挫させ るの
はいかにも無駄である。

 そこで、北波多から西に方向を変えて、伊万里港臨港道路の東端に接続させた
らい かがだろうか。(◆地図3を参照。)

 建設区間は短縮されるし、伊万里市南側の丘陵区間よりは建設費を抑えられ
る。そ れに、伊万里港臨港道路を高速道路に接続する高規格道路として有効利
用できる。伊 万里湾大橋はB活荷重なので、高速道路が接続しても問題ない。
フル化の道路用地も 確保済みである。伊万里市街へは、伊万里湾大橋を渡らず
に伊万里港東岸を南進する ルートと、渡って西岸を南進する2ルートが選択で
きる。伊万里市の南方向への放射 道路へは北波多から国道202号、伊万里
BP経由でも十分ではないだろうか。

 伊万里港臨港道路の西端から松浦、平戸方面へは需要が高まってから計画すれ
ば良 いと思う。先述のように、西九州自動車道は全線を通して利用するルート
ではない。 無理に連続させる必要はない。松浦道路のように、交通量の多い区
間に断続的にバイ パスを設置すればよい。

 くだんの松山自動車道は、西予宇和IC以南でも一般国道を介して延伸させる
こと になっている。宇和島市街は、新規に高速道路を建設せずに、国道56号
のバイパス である宇和島道路を介する。宇和島道路も大洲道路と同様に無料の
自動車専用道路で ある。2004年8月現在は、平面交差区間があるが、全線
立体化の工事が展開して いる。

 宇和島市以南からは、宇和島道路、松山自動車道、大洲道路、松山自動車道と
高速道路を断続利用して愛媛県を縦断することになる。また、高知自動車道でも
須崎 道路が、高知自動車道の2区間をつなぐことになっている。大都市間のよ
うに高速道 路の連続性が重視される区間以外では、このようなかたちの高規格
道路の構成でも十 分である。

 伊万里港臨港道路が西九州自動車道をつなぐかたちになれば、伊万里湾大橋は
海を 望むランドマークになる。西九州自動車道は日本海沿岸の市街をつなぐ
ルートだが、 二丈浜玉付近以外は海から遠いところを通過する。やはり、福岡
から西に向かう道路 には海のイメージが強い。イメージ通りの眺望は利用促進
にもつながるような気がす る。冒頭で佐賀県が有名になっている件に触れた
が、興味本位でも行ってみたいと思 わせるのは地元にとっても得は多いような
気がする。道路がイメージアップに直接つ ながることは希だが、行ってみても
う一度行ってみたいと思わせるくらいのことはで きると思う。

 西九州自動車道のルート変更が難しいならば、伊万里港臨港道路を北波多まで
延伸 させればよい。
 妙案だと思うのだが、どうだろうか。


【留意】
本報告では、福岡県および佐賀県沖の海域を便宜上「日本海」と記しているが、
少な くとも福岡県沖は「玄界灘」と置き換えた方がわかりやすいかもしれない。