【おまけ】
この項は当方の妄想である。道路に関心があり多くの情報を入手している。そ
の中 でも特に道路計画に関心が高い。おおむね事実をまとめることで理解を深
めている が、ときには自分なりに問題点を抽出して解決する方法を考えたりす
ることがある。 当方は政治家でも財界のトップでもないので実現に直結するこ
とはないが、それでも 考えているときが至福のときなので、ささやかな児戯と
して理解していただきたい。
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◆地図9
瀬田付近の立体交差案。
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環八通りが全通して、立体交差が計画通りすべて供用されても、全線がスムー
スに 流れるというわけではない。現時点(2004年8月)でも渋滞ネックに
なっている 瀬田交差点の前後区間は完全供用により交通量が増えても何ら対策
が計画されていな い。かつての井荻の西武線踏切のような致命的なポイントに
なる可能性がある。そこ で、瀬田交差点の前後区間(玉川ICと東京ICの
間)に井荻TNを上回る規模のト ンネルを設置して渋滞を回避する方法を考え
てみた。(位置は、◆地図9を参照。)
トンネル名称は瀬田TNとする。
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◆地図10
瀬田付近の立体交差案。(東名高速道路接続部)
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この区間には、東名高速道路と首都高速3号渋谷線、玉川通り、駒沢通り、第
三京 浜道路が交差している。駒沢通り以外はいずれも重交通で、環八通りの本
線を直通さ せることよりも放射道路の直通を優先させている。環八通りの直通
交通が増えればパ ンクは必至である。また、第三京浜道路が首都高速と直結し
ていないため環八通りを 介して、玉川通り、首都高速と連絡しているためさら
に交通は集中する。しかも、玉 川ICと瀬田交差点の北側までの区間は早期に
開通したため幅員が十分ではない。も ちろん沿道はすでに高度に市街化されて
いるので拡幅は困難である。
そこで、下記の交通流を処理するパスを考えた。
(1) 環八通りの直通(等々力UPと東京IC以北までのパス)
(2)首都高速と第三京浜道路の直通
(3)東名高速道路から環八通り等々力UPまでの直通
(4)環八通り高井戸方向から東名高速道路への直通
環八通り南行き線の東京IC交差点での右折の信号制御回避。
(5)環八通り等々力UPから東名高速道路への直通
これらのうち(4)は瀬田TNには直接関係ないが、東京IC交差点での渋滞
回避 のために高架構造で瀬田TNと同時着工すればよいと考えた。
瀬田TNの高井戸側の出入口は、東名高速道路の東京ICおよび首都高速3号
の用 賀Rの亘り線の立体化と一体になる複雑な構造になる。
(◆地図10を参照。)
環八通り南行きの瀬田TN入口は東京IC交差点の手前でトンネルに入る。逆
に北 行きの出口もここで地上に出る。各トンネルの間には環八通り北行き高井
戸方面から 東名高速道路へ直結する(東京IC交差点を右折する)高架ランプ
が設置される。こ のランプは瀬田TN入口よりも北側の中央分離帯からせりあ
がるかたちになる。
東名高速道路からは、環八通り南行きの瀬田TNに直通するランプが設置され
る。 既存の東名高速道路から首都高速への亘り線の東京IC出口分岐の先で砧
公園内に向 かう左カーブでトンネルに入る。トンネル内で下り勾配の右カーブ
を進んで、東京I C交差点の地下で瀬田TN南行き本線に右から合流する。瀬
田TNから東名高速道路 へは本線に直結するのではなく、東京IC入口のラン
プに接続する。瀬田TN北行き は出口の手前で、東名高速道路方面への左折ラ
ンプがトンネル内で分岐する。分岐ラ ンプは上り勾配の左カーブで、東京IC
入口で地上に出る。
首都高速3号からは東京IC交差点を越えたあたりで左に分岐して、分岐ラン
プに 入りすぐに右カーブで東名高速道路本線をくぐって砧公園に向かう。ここ
で東名高速 道路上り線から瀬田TNへの亘り線に合流する。
環八通り北行き瀬田TNから首都高速へは、東名高速道路へのトンネル内分岐
のす ぐ先でやはりトンネル内分岐で左に弧を描く。上り勾配のループ線を進ん
で公園内で 地上に出て、首都高速上り線に左から合流する。
不完全なトランペット型のランプの組み合わせで、くだんの条件を満たす。な
お、 この立体交差が完成しても東京IC交差点の信号制御は変わらない。瀬田
TNは玉川 ICまで出入口がないので、瀬田交差点付近や玉川通り、駒沢通り
方面へのアクセス 機会をこれまで通りに残しておかなければならない。
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◆地図11
瀬田付近の立体交差案。(第三京浜接続部)
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瀬田TNの等々力側の出入口は、地上の道路幅員が十分ではないので千鳥式で
設置 される。北行きは玉川ICの左分岐の先で瀬田TNに入る。また、南行き
は玉川IC を過ぎて等々力UPの手前(野毛公園前交差点付近)で地上に出る。
第三京浜道路との接続ランプは、上下線いずれも上野毛地内の瀬田TN内で分
合流 して、長い専用ランプを経て多摩川橋梁(新多摩川大橋)の多摩川右岸堤
防付近に接 続する。接続地点は玉川TB(本線料金所)の敷地である。(◆地図
11を参照。)
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◆模式図1
瀬田付近の立体交差案の模式図。
上図は平面図、下図は縦断図である。
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ところで瀬田TNはトンネル内の分合流があるため上下線で2層構造にすると
構造 がすっきりする。幅員の狭い玉川ICと瀬田交差点の北側までの区間では
並行するか たちでは地上に新たな道路用地が必要になる。やはり2層が有効で
ある。もちろん大 深度地下に設置すれば用地の問題は解消するが、地下40
メートルまで降下する長い アプローチを設置するスペースはない。
瀬田交差点には玉川通りのアンダーパスと、東急田園都市線のトンネルがすで
に2 層で設置されているので、瀬田TNはさらにその地下に設置しなければな
らない。 (◆模式図1を参照。)
この項はあくまでも妄想です。自分なりに実現の可能性(構造物のクリアラン
スの 確保)は検討しているが、信憑性はない。本来なら開示すべき内容ではな
いが、最近 はこのような意見を一般市民から募ってデザインコンペを実施する
ケースが増えてき たので、敢えて恥部をさらしてみた。このようなコンペには
いろいろなかたちがあ る。PI方式のように各ステップで市民の意見を募り以
降のスケジュールを調整する かたちのものが多い。首都圏では初台交差点の改
良、千葉柏道路など。PI方式では 市民は意見を言えるが傍観者である。
さらに能動的に参加するかたちとしてはグラン ドデザインを募るかたちのも
のもある。日本橋川の環境を取り戻すプロジェクトは、 上空を覆う首都高速本
体の撤去を含めた大規模なものである。すでに地下鉄など地下 構造物が多層で
設置されているので安易に地下へ移設する方法では対処できない。八 方ふさが
りでどうにもならないように見えるが、道路先進国の欧米ではこのような近 代
構造物の撤去による景観修復はいくつも実施されてきた。高速道路事情が最も進
ん でいる東京でも欧米に30年遅れているので、今から案を集めて30年後に
実現でき ていれば欧米と同じみちを歩んだことになる。
ところで、当方が知っている景観修復の例はすべてウォーターフロントであ
る。近 代道路構造物の粋である高速道路は、都市部では川筋を利用してきたと
いう証であ る。そして、なぜか供用後50年くらいでかつての景観を求めるよ
うになった。人は 水に関して何らかの回帰本能でもあるのだろうか。
川を覆う高架道路の撤去はソウルでも計画され、すでに着工している。清渓川
のリ バーサイドは数年で元に戻る。東京も負けていられないと奮起すべきだろ
う。しか し、ソウルの高架道路はバイパスにあたる区間が開通しているので撤
去しても問題は なかった。日本橋川の首都高速は環状線を切断する重大な交通
障害をもたらす。同様 に扱うにはあまりにも条件が異なる。
本件に関しては本報告の主題から逸脱するので ここで止めるが、このような
比較では相手の事情を理解していないとマジックにはめ られる可能性がある。
特に道路事情のように決してメジャーではない分野では、情報 を発信する側に
政治的な意図がなくても、情報不足により誘導性のあるレポートを開 示するこ
とがある。読者(視聴者)も認識不足により、誤りを指摘することができな い
ので、誤りとして成立しない。
目に余る誘導を見つけたら何らかのアクションを起こしたいと考えているが、
そん な大人気ないことはしなくても済むような報道を望む。
【予告】
2003年、および2006年の項で記した未開通の2区間(練馬区間※1、
板橋 区間※2)については、画像資料も多いので別の報告書でまとめる。
※1 練馬区間
練馬区南田中(笹目通りとの交差点)と貫井(目白通りとの交差点)との間。
工事区間としては2.7キロとしているが、これは目白通りをオーバークロス
する 練馬中央陸橋の区間も含まれている。目白通りに接続する側道を開通区間
とすれば約 2キロである。
※2 板橋区間
練馬区錦(川越街道との交差点)と板橋区相生町との間。
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