阪神高速(12)森小路線※は、わずか1.3キロの路線である。大阪市旭区を横
切り、四条畷市から奈良県北部へ通じる国道163号に接続している。
阪神高速道路の路線番号は、環状線を1号線として、その枝線は時計回りに11
号、12号、13号とナンバリングされている。12号は大阪市東北方向、京都方面
への枝線の番号である。環状線の東北角の堂島川上で枝分かれする。都市高速道路の
特性として仕方がないのだが、理想的な道路用地確保ができないのでまっすぐ京都方
面に直進することはできない。直角に近いきついカーブを経て、それでも総じて京都
方面に向かう。さすがに京都は遠いので、守口市で国道1号寝屋川BP(バイパス)
に接続するところで終点になる。つまり、守口までの路線なので、守口線と呼ばれて
いる。
ところが、環状線と守口終点の中間地点の旭区の城北JCT(ジャンクション)
で、東南方向への分岐線がある。これが森小路線である。この路線も12号という扱
いになっている。阪神高速阪神東線(大阪市内線)の放射線はいずれも環状線から郊
外まで到達している。郊外の都市間高速道路やそれに準じる高規格一般道路に直通し
ているが、森小路線は、市街地の規格の低い一般国道に接続して終点になっている。
実際の運用上は、12号守口線の森小路出入口への長いアプローチというかたちであ
る。(◆図1)
※森小路
森小路は、「もりしょうじ」と読む。地名の音読はきわめて難しいが、当方は北海
道や沖縄よりも関西や九州の方が難しいと考えている。倶知安は、無理にそのまま読
めば「くちあん」で、「くっちゃん」に近い。これはスペイン語に似ている。ローマ
字読みで無理やり読めば案外正解に近い。ところが、簡単な文字で、先入観のある
ケースでは往々にして間違えて発音することになる。森小路付近では、千林「せんば
やし」、内代「うちんだい」、茨田「まった」などがある。
放出はかなり有名だが、
一応正解(「はなてん」)を記す。これは英語やフランス語に近いかもしれない。
「シャンゼリゼ」は何ら予備知識がなければ「チャンプスエリシーズ」である。
実は、当方は小学生のころは森小路を「もりこうじ」と発音していた。当時在住し
ていた名古屋の広小路(ひろこうじ)が先入観になっていた。
ところで、特に関西の地名の場合は、アクセントの位置を間違えると正解の発音でも
通じにくいことがある。書面では表現しにくいのでこれ以上記さないが、これは知識
で解決せず現地で生の声を聞く方がおもしろいと思う。
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