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富士山



 当方は富士山が好きだ。富士山を見ると日本人に生まれて本当によかったと思え 
る。富士山は、東海道では最大級のランドマークで、太古の昔から多くの旅行者を癒 
してきた。火山なので時折大きな迷惑をもたらすこともあったが、それでも富士山の 
包容力は何ら変わらない。

 東名高速道路足柄SAから見た富士山。
(2002年12月27日著者撮影。
以下、近影画像はすべて同条件で撮影。)
 人は、この印象を何らかのかたちで記録したいと考えた。写真技術以前の時代は描 
画がすべてである。葛飾北斎の「富嶽三十六景」が有名だが、ほかにも多くの人たち 
に記録された。当方は個人的には自然(現象)の印象は「記憶」だけで十分だと考え 
ているが、記録に残したいと思う気持ちは理解できる。
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 東名高速道路酒匂川橋と富士山。
(「高速道路と自動車」
(高速道路調査会発行)
 1991年1月号表紙から引用。)
 写真技術以降の時代は、世界からの訪問者にとっても日本の代表的な被写体にな 
り、数知れない枚数の写真が撮られた。動画が浸透してからは、記録媒体がネガから 
ビデオテープに、さらにデジタル画像が主流の現在は各種メモリに残されるようにな 
った。いずれにしても極めて多くの記録に残される対象であることに何ら変わりはない。
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 東名高速道路東名足柄橋と富士山。
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会発行)
 1994年1月号表紙から引用。)
 当方は、高速道路しか撮影したことがない。富士山が視野に入るエリアにおいても 
決して富士山には焦点は合わせない。撮影中には確かに富士山は見えているが「今は 
かまっていられない」と、道路ばかり撮影している。富士山はかなり遠方からでも見 
えることがある。東北自動車道の佐野あたりでも視野に入る。一瞬見とれてしまう 
が、焦点はあくまでも東北自動車道である。

東名高速道路足柄SAから見た富士山。

 東名高速道路足柄SAから見た富士山。

 撮影した道路画像は、いつどこで撮影したのか、ネガを含めきちんと管理してい 
る。(同様に動画もきちんと管理している。)したがって、どの地点の画像も容易に 
取り出せる。被写体はすべて道路なので、何が写っているのかは敢えて記録していな 
い。どこで撮影したのか、その住所だけで十分である。つまり、膨大な画像情報から 
富士山の写りこんでいるものを見つけ出すことはとても難しい。当方自身は、先述の 
ように富士山に焦点を合わせた記憶がないので、写りこんでいたとしてもぼやけた遠 
景にすぎないだろう。

 東名高速道路富士川SAから見た富士山。


 東名高速道路牧之原SAから見た富士山。

 昨年、遅ればせながらデジタルカメラを導入した。スチールカメラに比べると画像 
が「固い」のであまり好きになれなかったのだが、コンパクトでメモ撮影にはとても 
便利である。今回、デジタルカメラで初めて富士山に焦点を合わせた。どのアングル 
も多くの人に撮影されたことのあるおなじみの景色である。芸術的なセンスも際立っ 
た撮影技術もないし、高性能でもない9万円のデジタルカメラできまぐれに撮影した 
ので、単なる旅行スナップにすぎない。
 撮影箇所は、東名高速道路の足柄SA、富士川SA、牧之原SAである。それぞ 
れ、富士山山頂からの距離は22km、27km、84kmである。やはり足柄SA 
は近いのでダイナミックである。

 撮影地点の富士山との位置関係、
 および山頂との直線距離。

 高速道路調査会発行の会報「高速道路と自動車」は、1月号の表紙に富士山の画像 
を採用することが多い。いくつかを引用した。
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 中央自動車道河口湖IC上空から空撮した富士山。
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会発行)
 1999年1月号表紙から引用。)
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 東富士五湖道路山中湖ICと富士山。
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会発行)
 2002年1月号表紙から引用。)
 今回の報告は、ある意味「閑話休題」である。何ら科学的な分析は行っていない。 
単に当方の主観だけで記している。当方は道路の分析が決して殺伐としたテーマでは 
ないと考えているが、ときにはこのようなコラム風のもので休憩するわがままをご容 
赦願いたい。
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 東名高速道路御殿場IC上空から空撮した富士山。
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会発行)
 2003年1月号表紙から引用。)