ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

不採算横断自動車道を数値分析1



 高速道路のSA(サービスエリア)などで無料配布されている日本道路公団発行の 
ハイウエイニュースNo.87(2002年October)に、平成13年度(2 
001年度)高速道路収支状況が掲載されている。これは、高速道路の採算性を利用 
者に理解していただくための広報活動の一貫として、毎年特集されている。
 
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ハイウエイニュースNo.87
(2002年10月 日本道路公団発行)
表紙画像。
 道路行政は、公的資金を使うためどうしてもお金に関する興味を持たれる。そのた 
め、高速道路建設は無駄ではない、高速道路は採算がとれていることをアピールせざ 
るを得ない。ハイウエイニュースでも全国の高速道路の平均収支率が49であること 
を強調している。収支率とは、100円の収入を得るのにいくらかかったかを示して 
いる。49というのは、極めて採算性が高い。ところが、この数値にはちょっとした 
からくりがある。

 収支率=(管理費+金利)/収入
   管理費:3848億円
   金利 :5547億円
   収入 :1兆9271億円 

 経費には、建設費用は含まれていない。また、金利はあくまでも1年分なので、元 
金が途方もない金額であることは容易に想像できる。当方は経済、経営の専門家では 
ないし、公的投資に批判的なマスコミでもないので、これ以上は触れないが、このよ 
うな広報は誤解を招く可能性が高いので表現方法に何らかの見直しをした方がよいか 
と思う。
 
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 ハイウエイニュースNo.87
(2002年10月 日本道路公団発行)
 路線別収支状況
 画像が小さくて文字がつぶれてしまい
 見難くなっているが、出自のハイウエイ
 ニュースは無料配布されているので
 是非、お近くのSAなどで入手してほしい
 今回のテーマは、不採算路線と言われる横断自動車道の実体の確認である。収支率 
や交通量などマイナス面だけをピックアップして、建設推進に関わった政治家批判な 
どに利用されている。これはやや偏った情報利用である。高価な高速道路をマイナス 
面しかない区間に建設するはずがない。高速道路の利便性に着目して各横断自動車道 
の現状を分析した。

 まず、横断区間として下記の10区間を抽出した。

 1 岩手県北上市ー秋田県秋田市
 2 宮城県仙台市ー山形県酒田市
 3 福島県いわき市ー新潟県新潟市
 4 東京都23区ー新潟県新潟市
 5 東京都23区ー新潟県上越市
 6 愛知県名古屋市ー新潟県上越市
 7 愛知県名古屋市ー富山県富山市
 8 大阪府大阪市ー京都府舞鶴市
 9 岡山県岡山市ー鳥取県米子市
10 広島県広島市ー島根県浜田市
 
 
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 北上JCT
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会)
 1997年10月号から引用)
 いずれも実際の交通需要を考慮せず、横断自動車道が結線している区間である。や 
  や高速道路の分析結果が有利になるが、ご容赦願いたい。これらの区間について、高 
  速道路と一般道路利用での所要時間を調査した。調査区間は、下記の条件で設定した。

1)    高速道路と並行する一般道路は、設定区間の一般的な利用路線を選択している。 
  途中区間では、高速道路とは離れたところを通過するケースもある。

2)    調査区間の起終点は、高速道路と並行一般道路とのIC(インターチェンジ)と 
  する。ただし、適当なICが見当たらないケースでは、起終点都市の中心からICま 
  での距離に相当する地点を選択した。

3)    起終点付近の交通状況が時間帯により所要時間に著しい差異が生じるケース(交 
通渋滞により通過時間の偏差が大きいケース)では、郊外の環状道路との交差部を選 
択した。

4)    所要時間は、「道路時刻表」(道路整備促進期成同盟会全国協議会発行)のデー 
  タを使用した。このデータには休憩時間は含まれていない。実際の所要時間は、区間 
  が長くなるほど長くなる傾向にある。(当方は、今回選択した区間のほとんどを実走 
  しているが、おおむね「道路時刻表」のデータと一致している。実走では交通量の少 
  ない休日や夜間も含まれるので、平日昼間のみのデータである「道路時刻表」の方を 
  より信頼できるものとして採用した。)
↓各区間の高速道路と一般道路の所要時間を求めた。
参考として、縦貫自動車道についても同様の条件で所要時間を求めた。

続く