名古屋空港は、名古屋市内からさほど遠くない位置にありながら、長い間到達時間
が不安定なアクセスしかなかった。鉄道アクセスがなく、バス(自動車)でのアクセ
スしかなく、途中の庄内川を渡る橋梁区間(新川中橋)をネックとした国道41号の
慢性的な渋滞のために信頼性は著しく低いものだった。そのため名古屋空港そのもの
の利用も少なく、国際空港でありながら東海地区の旅客も成田や伊丹を利用してき
た。ところが、航空需要の増大で成田はパンクし、関西空港の開港でもさばききれな
くなってきた。圧倒的な旅客数を抱える東海道筋で、余裕のある名古屋空港の需要が
増大していくのは当然の帰結である
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名古屋高速路線図。
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空港アクセスの改善ということだけではなく、国道41号筋の尾北地域と名古屋を
結ぶラインの体系的な交通改善のために名古屋高速道路(楠JCT以北は名濃道路)
が計画された。環境問題のクローズアップにより地下構造への計画変更、さらにそれ
を翻してスレンダーな段違い2層構造への計画変更により完成はずいぶん遅れた。着
工から約20年後の1995年9月19日に名古屋市北区楠まで開通した。空港まで
つながるのはさらに先に延びたが※1、楠までの開通でも空港アクセスの高速化、信
頼度向上には十分である。距離、標準速度により、名古屋駅から30分以内での連絡
が可能と目された。
※1 名古屋高速の空港延長
2000年3月10日に名古屋高速小牧線として小牧南まで延長された。少しだが
空港に近い豊山南に出入口ができた。空港ターミナルに直結する空港出口の増設を見
越して、豊山南出口の北側で北行き本線の右側に出口用の減速車線部分ができてい
る。空港出口はここからせり上がって上り本線を跨ぎ、空港ターミナル(国内線)前
に直結することになっている。ところが、2005年2月には常滑市沖に中部国際空
港が開港し、名古屋空港での定期便の発着は無くなる予定である。いまさら数十億を
かけて空港出口を建設する理由はないだろう。おそらく空港出口計画は幻になると思
う。(名古屋空港跡地に空港クラスの交通需要のある施設が建設されれば出口建設の
可能性はあるが、名古屋空港は自衛隊が使用しなければならないので、それも有り得
ないだろう。)
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名鉄バスターミナルへのアプローチ高架橋。
笹島交差点から太閤通方面をのぞむ。
高架2層目と3層目がバスターミナルアプローチ、
高架4層目は一般車両の駐車場へのアプローチ。
(2002年10月5日 著者撮影)
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早速、名古屋駅と空港を結ぶ路線バスのルートが再編されることになった。もちろ
ん名古屋高速を利用するルートである。ところが、このとき些細な問題があることが
わかった。名古屋駅から最寄りの高速入口である名駅入口には素直なルートでは行き
にくかったのである。ここでの名古屋駅とは、名鉄バスターミナルである。このター
ミナルはJRおよび名古屋市交通局を除く多くの民営バスが乗り入れている。名鉄名
古屋駅の駅ビルの3階から4階までの2層がバスターミナルで、さらにその上に一般
車両の駐車場がある空中3層構造である。広小路通りをオーバークロスする3層の高
架橋は、名駅通の下広井町交差点で一般道路と平面クロスする。ここがターミナルの
出入口になる。ここから名駅入口へ行きにくいのである。
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名古屋高速(R)都心環状線、名駅入口
西柳公園西交差点から名駅入口をのぞむ。
(2002年10月5日 著者撮影)
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名古屋高速の名駅入口は、広小路通りのすぐ北側を平行する錦通の東行きからのセ
ンターランプで高速本線左側にせり上がっている。名駅通と交差する錦通の起点(こ
の交差点に愛称はないが、便宜上「笹島北」交差点とする)から東方向に向かわなけ
れば、名駅入口から高速に乗れないのである。名鉄バスターミナルを出発したバス
は、下広井町交差点で左折して、名駅通りを北に向かうと200メートルで広小路通
との笹島交差点に至る。この交差点を越えて約50メートルで笹島北交差点に至る。
ここで右折すれば、錦通の起点からまっすぐ東に200メートルで高速入口に行くこ
とができるはずだ。しかし、笹島北交差点は右折禁止であるためこのルートでは高速
に乗れない。
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下広井町交差点から
名鉄バスターミナル出入口をのぞむ。
(2002年10月5日 著者撮影)
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笹島交差点。
下広井町側の名駅通から笹島交差点、
名古屋駅方向をのぞむ。
大名古屋ビル屋上の球形広告下あたりの
道路中央に「飛翔」が見える。
(2002年10月5日 著者撮影)
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