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川崎市は都市としてのポリシーを持てるか?(道の川柳・森川晃)1



 2002年4月30日午後3時、首都高速(K6)川崎線の川崎浮島JCTと殿町
R間3.5キロが開通した。川崎線として初めての開通区間である。
 
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  川崎市川崎区殿町3
 首都高速(K6)川崎線殿町R
 入口ランプ部、川崎浮島JCT方向をのぞむ。
(2002年6月12日著者撮影。以下すべて)
 
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 川崎市川崎区小島町
 首都高速(K6)川崎線殿町R
 出口ランプ部、川崎浮島JCT方向をのぞむ。
 川崎線は高速川崎縦貫線として着工されたもので、全貌はその名の通り、川崎市を
湾岸地帯から丘陵地帯まで縦貫する壮大な計画である。川崎市は東京都と横浜市に挟
まれた政令指定都市で、横長に区分けされている。各区のメイン交通アクセスは東京
や横浜への放射状交通に委ねられている。そのため川崎市としてのまとまりがない。

唯一の縦貫アクセスであるJR南武線は沿線に大規模な工場や住宅があるため昇降客
は多いが、もうひとつ垢抜けない。通勤時間帯以外は空いている。また、道路は多く
区間が2車線の国道409号だけで、慢性的な交通渋滞を引き起こしている。このよ
うな偏った交通状況は横浜市にも見られたが、横浜CBD地区を中心とした放射環状
型の交通計画下で徐々に開通し、ある程度は改善されている。川崎市は横浜市ほど広
くないので、首都高速川崎線を起爆剤として、一気に都市としてのポリシーを持つこ
とになりそうだ。

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 川崎市川崎区小島町
 首都高速(K6)川崎線
 大師JCT方向をのぞむ。
 高速本線は、ここから地下区間へ移行する。
 首都高速川崎線の構造は、川崎浮島JCTから殿町Rまでの今回の開通区間は、本
線上下のダブルデッキ構造で、大黒線の構造に似ている。この沿線は住宅地ではない
ので、堅牢な構造にすることだけに気を配ればそれで良い。

 さらに富士見地区まで延長工事中だが、この区間は準工業地帯で住宅も混在してい
る。そのため沿道環境を保持しなければならない。80年代までの計画ならば、高架
構造を防音壁で覆う程度で許されたかもしれないが、それ以降に設計されたこの区間
では半地下、または地下構造を基本としている。殿町Rまでダブルデッキの高架構造
が、大師河原までの短区間でダブルデッキのまま地下構造に移行することになる。大
師河原で直交する首都高速(K1)羽田横浜線が高架構造なので、全方向に接続する
ジャンクションを設置すると高架のままでは都市景観を著しく変える巨大な道路構造
物が現れることになる。

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 川崎市川崎区江川1
 地下区間?高架区間移行部予定地。
 殿町ランプ方向をのぞむ。
 現在、大師河原交差点付近の南側は住宅密集地だが、北側は工場跡地である。
強引な区画整理をすれば、地上に巨大ジャンクションを設置することができたかもし
れない。しかし、それでは川崎市は単なる交通の要衝として機能するだけで、独立都
市としてのポリシーは感じられない。この機会に川崎線と平行する京急線も地下構造
にして、大師河原地区の地表に利便性が高く、好環境の都市用地を発生させるつもり
だ。新川崎駅および川崎駅周辺の再開発が進行しているが、さらに羽田に近いエリア
に有効な土地を確保することになる。

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 川崎市川崎区殿町1
 地下区間予定地。
 大師JCT方向をのぞむ。
 景気低迷の時勢のため全国各地の再開発計画は予定通り進行していない中で、川崎
市はまあ成功している方だと思う。大師が成功するかどうかは予測が難しいが、少な
くとも首都高速川崎線は、川崎市の新都心を直結させる有効な社会資本になるはずで
ある。

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 大師JCT用地説明図
(現地広報看板を撮影)

続く