現在ジャンクション部で最大の交通量は、首都高速池袋方面と外環道和光
方面の双方向である。これは首都高速と関越道を高速道路だけで結ぶルート
になっているせいです。ところで、冷静に地図を見ると、東京都心部(CBD)
から関越道へ美女木経由で結ぶのはとても大回りで、高島平と和光は2Kし
か離れていないのに美女木経由で8Kになる。それでも川越街道、目白通り
いずれも流れが悪いので、理不尽でも美女木に立ち寄ることになる。とこ
ろが、将来構想として首都高速練馬線の計画があり、東京CBDと関越道を
直結させることになっている。これが開通すれば美女木JCT(ランプ部)
の交通量は相当少なくなるはずである。
このように、信号制御擁護の理由を検討してみたが、(2)以外にはあ
まり説得力はないと思う。その気になれば完全4枝直結は可能である。
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外環・外回りの料金所付近
(撮影・東長崎機関)
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(1) 美女木JCTが計画されたころ、この地域の市街化は進行していなかっ
た。
(2) 新大宮バイパスのアンダーパスを無視した形で戸田ランプを設置す
ればよかった。
(3) (1)と同様で、計画当時は土地を確保する余裕はあったと思われる。
美女木JCTよりもずっと後に計画された8キロ北に位置する首都高速
大宮線の与野JCTは、思い切った区画整理で広大なJCT空間を確保し
ている。
(4) 首都高速練馬線は早稲田ランプから分岐し、新青梅街道上をすすむ
幻の首都高速10号線計画がベースになっている。現時点では中央
環状新宿線のような大深度地下構造しか想像できない。そのため
工期は10年以上になる。長期間にわたり全通は期待できない。
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首都高交通管理所ビルへの入ロがまた、
JCTの形をアートにしてていい。
(撮影・東長崎機関)
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結局、建設主体が首都高速道路公団、日本道路公団の2つに跨っている
ことにより妥協点が甘くなったのではないだろうか。これまで、信号制御
に起因する慢性的な交通渋滞は発生していない。(きめ細かいタイミング
調整を行っている。)また、T字接続のころに発生していたJCT部での速度
超過に起因する事故も解消している。高速道路同士のジャンクションでは
なく、高速道路を降りて、別の高速道路に乗りなおすときのちょっとした
ブレイクと考えて通過するのが精神衛生上よろしいのではと、こちらも
妥協しておくのが良いのかもしれない。
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