|
能登半島の名物といえば間垣。 まあ、この間垣のバランス感覚を知らない人だと、ただの古いスタイルの防風壁 に見えちゃうだろうね。 |
間垣は、ニガタケという竹を使った塀で、このように、隙間があいてるところが ミソ。能登半島のもう1つの名物は暴風であり、冬ともなると、特別な気象状態 でなくても、台風なみの風が吹きまくる。 |
隙間があることがミソだと地元の人たちも改めてわかったのは、実は近代に なってから。 間垣村に住むあるお金持ちが、金にモノを言わせて、金属板の強固な暴風壁を 建設したらしい。そしたら、その近代金属壁の周辺の家は、強風によって屋根が 飛ばされたりして大変なことになったのだと。 そして今度、夏になると、金属壁に囲まれたお金持ちの家だけはが暑くて暑く て居心地悪くなってしまったのだと。 つまり、間垣は、暴風を完全遮断するのではなく、ほどよいそよ風に変える機 能を備えていて、そのおかげで村全体への風が穏やかになる。また、夏の暑い日 には、風を通すことでクーラーに。しかも、各家ごとなんちゅーセコイ個人主義 ではなく、村をまるごとの大型エアコンディション。昔の人の知恵は凄いね。 とりあえず、海洋建設業界で流体力学も勉強したカトケンとしては、潮を含ん だ海風の粘性効果や、間垣の隙間から抜けた風が、層流に近くなるのだろうか、 などが気になる。流体の流れ方には、乱流と層流があり、水路設計などでも、乱 流になりにくくすることが大事よ。 |
ここの一画は、正式なニガタケではなく、材木を並べて作った間垣だから、もし かしたら、ホンモノの間垣地区よりもなにか不具合があるかもね。 2014年2月2日。 能登半島、大沢&上大沢。 |