ヒマヒマヒマヒマモード

撮影バーゲン会場と化した渋谷駅




天井には陽が差し込んで明るく穏やかに見えるが、
ここは、2013年3月15日、地上駅最終日の、東急東横線渋谷駅改札だ。
駅員・警備員の「立ち止まらないでくださいっ」「改札では撮影しないでくださいっ」・・
といった絶叫が人ごみに吸収されていく。

 

ラッシュの時間でもないのに、バーゲン会場のごとく人で埋まり、撮影大会になっていた。
一番人気は、3分おきくらいに入ってくる、行先表示が「渋谷」の東横線車両の顔。
その顔を正面から撮影できる空間にはびっしりと警備員が並び、完全ブロック。
電車はたくさんあるけど、それぞれがパパラッチされる、ボディガードつきの大スターだよ。
 
改札口前からバスターミナルを挟んで向かいの複合ビル「ヒカリエ」に続く自由通路でも
窓にカメラがたくさん。

ヒカリエ側でも、あらゆる窓に撮影隊がいた。
上層階では、ミュージカルの観客のおばちゃんたち。
自由通路のある2階では、ベビーカーの赤ちゃんを東横渋谷駅バックで撮影するおじいちゃんや
「なんだかわからないけど、かっこいい〜」とVサインで記念撮影するガキンチョたち。
雨のあとなのでガラスが汚れていて「ガラス汚ねえな」と文句を垂れるオッサン。

みんなスカイツリーで建設現場撮影が好きになり、東京駅で駅撮影が好きになり、
その流れで渋谷を通りかかった人は、東横線に縁もゆかりもないんだけど。。。と
言いながらレンズを向けていた。 
 
ヒカリエから駅を見たところ。
なんか歩道橋が黒くて重そうじゃない?

歩道橋の撮影ポイントにはカメラが鈴なりで、ホームの撮影隊とは顔がわかる距離でお見合い状態だぞ。
人の乗りすぎて歩道橋が落ちなくてよかったよかった。
渋谷の駅だけが撮影スポットではない。
沿線のビルの階段、ベランダ、歩道橋、地面・・・あらゆるところで東横線は
レンズを向けられていた。
電車のガラスが汚れててボケボケだが、歩道橋にはカメラマンがいっぱいいたのだよ。
(上の歩道部分と階段にずらっと一列に)

運転士はどれだけのレンズと目があっただろうか。

隣の代官山駅ではホームに5m間隔くらいに警備員が配備されて厳重監視状態なばかりか、
渋谷〜代官山間の踏切にも、警備員とカメラ小僧のペアが目撃された。
一方、中目黒駅には、この日にひっそりと東横線との直通運転をやめる日比谷線を
見守る鉄ちゃんたちがいた。

東横線にはちゃんと、六本木・銀座という東京の繁華街を通って埼玉まで行く
直通路線があったのに、副都心線に負けちゃったね。