ヒマヒマヒマヒマモード| クリスマス2010

クリスマスに戦時下の恋人達を想う。。

(写真/文:長谷川)


Xmasのイルミネーションで、華やぐ銀座。
亜紗子さんから、「お見せしたいものがあるの」とメールを受け、勇躍銀座にやって
参りました。

こっちこっち!と、手招きされ、賑やかな大通りを曲がり、一本路地に入ると、昭和
初期のレトロな雰囲気の建物に到着。しかも、エレベーターは手動!?
ガチャガチャガチャと、手で開け閉めするエレベーターに乗って、目的の階まで上
昇。ギャラリーを覗くと、正面にこちらの絵が!
『  貴方‥‥…聴こえますか。』

北御門夏恋
きたみかどかれん

作者にお会いして、さらに驚き。
女子美術大学日本画専攻の4年生だそうです。

「小学生の時に、ひめゆりの塔を見て衝撃を受けました。戦争によって引き裂かれた
恋人、親子、夫婦、
その一人一人の悲しさ、切なさを伝えていきたいという思いです。
誰かを愛し、愛されていた若者が見送られ、戦地に赴き、愛する人の名を叫んで散っ
てゆく。
自らの命を、国の為に捧げる・・・・・・。
時代は違っても、私と同じ若者たちが、生と死の狭間で生きていた・・・・・・その
証しを魂を込めて描いていきたいのです。これからも。」
初々しい笑みを浮かべる北御門夏恋さん。
目に涙を浮かべる亜紗子さん…‥
手動エレベーターを降り、その一角だけ時間が止まったようなビルを後にする。
「愛する人の魂が、天国に吸い込まれていく・・・・・・それを一生懸命、引き止め
ようとする……
そんな絵だったね。。
今の私たちは、当時の恋人たちのように、死に別れ、引き裂かれるなんてことは、な
いからね……」

亜紗子さんは、そう言い残すと、Xmasで賑わう銀座の喧噪の中に消えて行ってしまい
ました・・・・・・。


2010年
12月11日
北御門夏恋
『聴こえますか。』
Gallery  銀座フォレスト