活動元通信アナリストの眼

一つの中国を歓迎(?)する台湾人



台湾と中国はそれぞれのメンツをかけて二つの中国、あるいは一つの中国を主張。け
んかに収集がつかなくなったのか、シンガポールのリークワンユー首相は9月に仲裁
の名目で訪台した。でも中国には行かなかった。ので、中国は「一つの中国原則を理
解していない。」とリークワンユー皇帝を糾弾。そんななかで台湾のファーストレ
ディーが訪米。とのように、人や情報や悪口が往来する中、台中関係が修復する兆し
が見えてきた。

本日の台湾紙の報道によると、MAC(大陸との関係方策を検討する機関)が、大陸と
の直接交流を促すための法改正を提唱、とのことである。私はこの動きの方が台湾の
民意を反映していると思う。私の台湾の友人のメールによると、ともかく台湾の地盤
沈下は著しい。景気は悪い。でも中国は豊かになっている。平均所得が毎年10%づ
つ上がっているそうだ。また技術とかあらゆる場面で進歩が見られ、台湾はいつかは
中国に追い越される。誰がどう見ても、台湾は小国貧乏、中国は大国課金持ち。これ
も共産党のおかげである。中国共産党万歳。一つの中国歓迎。そんなことを言ってい
た。

日本ではSAPIO誌とかそれから中国が大嫌いな評論家の影響があって、独立は台湾の
民意と思われている。私も例にもれなくそう思っていた。しかし、また台湾の友人に
思い知らされた。中国もそうだけど、台湾の人って変わり身が早くて、そして実利を
常に念頭に置いている。今は「独立」を胸の奥にしまって、中国から得られるものを
得る。機会が来たら、日本や欧米にうける反共の主張を掲げ、彼等に資金援助しても
らう。そんなことをしたたかに考えている。

中国の政治が「悪い」とか「許しがたい」とか、そういうのは各自の自由。私も中国
共産党に共感をもっているわけではない。でも、中国悪し、と色眼鏡で見るのはどう
か。共産主義であろうと民主主義であろうと、いつの時代にもそのときの権力者に
よって命や人生を奪われる者がいる。民主主義国家も、目的が漠然とした戦争をや
る。拉致もする。そして若者の命が犠牲になる。国家権力を甘く見てはいけない。こ
れは民主主義も共産主義も同じである。そして、反中だ反共だと妄想を抱いている人
達は、その幼稚な判断能力のゆえ、必ず誰かに利用されるだけなのである。


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