活動通信アナリストの眼

ワールドコム恐慌



アメリカで二番目に大きい通信事業者、ワールドコムが3800億円規模の不正な経理処
理をしていたことで、ブッシュ大統領は大いに吼えまくった。そして売掛金が回収さ
れる見込みが薄いことから、ワールドコムに機械を納入していた富士通等の株が下
がった。

ワールドコムは、日本で一番最初に事業認可を受けた外資事業者で、通信業界の黒船
である。東京だけではなく、世界中の都市の排水溝等に光ファイバーをはりめぐら
し、ワールドカップのスポンサークラスのリッチな国際的大手企業の囲い込みを狙い
にしていた。NTTコミュニケーションズが目指す、グローバルに展開する通信事業
者。。。とはまさにワールドコムであった。

ワールドコム事件はエンロンに続く大型スキャンダルで、株への投資は冷え込むだろ
う。米国経済の懸念材料が一つ増えた。また、NASDAQ上場企業で破綻の恐れがある企
業が幾つかあり、ワールドコム事件をきっかけに資金繰りが急速に悪化し、連続倒産
という事態も懸念される。Yahooのファイナンスを見ると、ほとんど0$に近い株価
の水準の企業が幾つかある。
ワールドコム事件は、ワールドコムと競り合ってきた通信事業者にとって決して対岸
の火事ではない。ワールドコムのお客さんがこっちに向いてくれるなんてことを言っ
ている場合でもない。経理に不正がなくても、株主の視線は厳しく、利益を計上しな
ければ厳しく追求や裁きを受ける時勢になってきたからだ。今赤字でも、需要が見込
め、将来は空前の黒字という事業計画は認められない。財務体質の改善がますます求
められるようになってくる。

これが電話インターネットの利用者にどう反映するのか。おそらく利用者は「無料の
インターネット電話」サービスの恩恵を受けるであろう。は?飛躍しているだろう
か。もう一度言おう。「無料のインターネット電話」サービスの恩恵を受ける。どう
いうことだろうか。

電話からインターネット電話への転換は時代の流れで必須だ。しかし、それを運用す
るスタッフや機械やらにあまり金をまわせない。従い、信頼性の高いサービスは提供
できかねるが、しかし、無料であればユーザーは文句をいえないであろう。また、無
料サービスでたくさんのお客さんを囲い込んでしまえれば、一石二鳥である。という
ことである。

無料だけれでも、繋がらなくい電話。それがいいか悪いかは貴方がきめる。いつも繋
がってNo
Problemというラッキーな人がいる反面、いつもトラブっている人もいる。それは貴
方の持つ運とか宿命としか言えない。ただし、以前にも書いたが、国内通話の問題で
あれば、事業者は手をつくせるが、通話先が海外となるとどうしようもない。そして
日米間という一番通話量が多い回線を運用しているワールドコムの不安定経営は、国
際通信事業者にとっても大きな頭痛の種であろう。


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