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日本はトルコに「惜」敗。日経新聞は日本の負けをこう表した。「惜」敗とは、これ までの頑張りを称える意味があるのだろうか。なんと優しい配慮だろう。 移動体通信の世界では、NTTドコモは惨めな敗者扱いである。鳴り物入りのFOMAが不 評で、数年前のPHS向けサービスをリバイバルさせたKDDIのGPSOneが70万加入者で リードしている。加えて、ドコモの新規投入端末、新504シリーズ・SH251iの販売に は勢いがない。前々回にも書いたように、移動体通信業界の新たなチャンピオンは KDDIである。ちなみにKDDIはCDMA開発グループというグローバルな団体から先進サー ビス賞を受賞した。これからKDDIはもっともっとたくさんのタイトルを受賞するであ ろう。 7月より、ドコモはFOMAと現行ケータイで同一電話番号が使えるようにする。6月18 日付けのこの発表を、ある英国のコンサルタントはTotalTelecom(業界サイト)上で 「これはツギハギサービス」と惨評していた。同一番号サービスは、あって当たり前 のサービス。ちょっと拡張しました、ちょっと便利になりました程度のもので、こん なことにコメントをしてもしょうがないと思う。しかし、かつての王者、ドコモの衰 退が明らかにつれて、ドコモを悪く言えばマスコミの注目度が高くなるという傾向が あり、それに便乗する人もいるようだ。 敗者ドコモに対して容赦ないバッシングは続く。しかし、独自のプラットフォームを 成功させ、新しいiMode世界を切り開いたドコモは腐っても鯛である。開発者が主体 のiModeメーリングリスト(英語)を読むと、iModeの欧州・米国・台湾展開への期待 が感じられてくる。ワールドカップなんてどうでもいい私はこれを読むと熱くな る。”iModeがスペインに上陸!”とエキサイトしているスペイン人。ああ、スペイ ンにもケータイ・オタクがいるんだ。彼らが好きなのはサッカーだけではないんだ。 iModeメーリングリストには、たくさんの新たな発見がある。日本でのiModeは立ち上 げ当時、パソコンがそれほど普及していなかったせいもあって、iModeはパソコンの 代替品という位置付けであった。これからのiModeはiMode単体としてではなく、 iModeとパソコンの一セットとして捉えていかなければならない。自分のサイトを、 いつでもどこでもケータイで見てもらえるというのもインターネット全盛時代の iModeの大きなメリットである。そのうえ、iModeサイトの構築は通常のサイトに比 べ、安くあがるという指摘もある。 今日の状況は、iModeが立ち上がった1999年と大きく違う。それをドコモはうまく捉 えられるか。壁は大きいが、乗り越えられればドコモは再び王者の座に返り咲くだろ う。 |