活動通信アナリストの眼


渡辺真由美のフリー・通信アナリストの眼


日本を救う3万人
個人でパソコンを10台保有というのは異常だろうか。でも仕事がIT関係でしかもプロ
グラマだったらそれは普通だろうか。中には買い物をしたいけど買い物に行く時間が
ないのでISDN回線に何口も契約し、回線は全然使わないけど毎月多額の口座引き落と
しでお金をたくさん使った気分を味わい、それが嬉しいというSEがいた。こういう人
は珍しい。私が聞いて歩いたところ、10台のパソコンのうち、1台は常時インター
ネットに接続しており、またもう1台は電話ファクス兼用のISDNに繋がっている。こ
のようなADSLとISDNの2回線契約が一般的なようだ。
日本にはパソコン10台総額200?300万円を個人的IT環境に投資してくれているユーザ
は何人ぐらいいるのか知りたいと思っていた。日経BP社の「日経なんとか」というIT
系の雑誌の購読者数は、各誌だいたい4?10万口で法人購読がほとんどである。各情
報システム部に数誌届けられていて、部内で個人的興味もあってきちんと読んでいる
社員が1?2人だろうか。その中でも自分のパソコンをペットのように可愛がり、大
事に育てているのは、どんぶり勘定で日本に3万人ぐらいいるのでろうか。メジャー
なパソコン展示会の入場者数から推定計算してもこのぐらいになる。

私はこの推定3万人のパワーユーザーが日本を不況のどん底から救うと考えている。
なんちゃって彼等の金払いっぷりがよろしい。もっとも金額ベースでは、例えばマン
ション一室4500万円を購入してもらった方が大きい。でもそれよりも大切なのは、パ
ワーユーザーは見慣れないハードやソフトに違和感を持つことなく、興味さえわけば
触りまくる、この特性ではないか。彼等の心を掴めば物(ソフトでもハードでも)は
売れる。だから彼等をもっとよく知りたいと思う。