活動通信アナリストの眼


渡辺真由美のフリー・通信アナリストの眼


ユーザ事情様々
恥ずかしながら私が自分用のパソコンを購入したのはたった2年前のことだった。で
も私は充分にネット中毒だった。私語が厳禁だった職場環境では99%のコミュニケー
ションがメールだった。だからオフの日にデパートなんかに行き、店員に話しかける
時など非常に自意識過剰になった。インターネットも会社で随分見ていた。当然、仕
事がらみのサイトしか見ていなく、ネットサーフィングは退屈で、なんで人はこれを
趣味にするのか理解できなかった。仕事でネット漬けだった私は、お金が入ると狂っ
たように食べて寝た。妊娠するとそういう症状が出るそうだが、私は万年展望のない
妊娠をしていた。
翻訳家には凄まじい勉強家が多い。仕事がなければ1日8時間は勉強しているそうだ
が、それだけ必死にならなければ外国語って物にならないのだろう。インターネット
が「情報の海」と訳されていた時代、そこに繋がるパソコンに200万円強も投資した
方がいた。同じモデルのパソコンを10台買ったのだが、辞書と同じようにたくさんあ
れば情報量も増えると思っていたそうだ。

同じく自宅にパソコン10台あるエンジニア。天才的な数学者である彼は、LINUXとい
うOSの魅力に取り付かれてしまった。LINUXはプログラマーがネットでチャットをし
ながら開発したという成り立ちがある。LINUXには様々な流派やバージョン(LINUX語
では”ディストリビューション”)があるが、それらを導入したり、自分で改良して
いるうちにパソコンは10台になっていた。仕事もLINUX環境なので、彼はウインドー
ズを本格的に操作したことがない。パソコンはTar xfvz docs.tar arti* という
LINUXコマンドを入れて操作するものだと思っている彼は、クリックが苦手。ネット
カフェのお姉ちゃんに馬鹿にされている。