通信アナリストの眼 INDEX


渡辺真由美のフリー・通信アナリストの眼




8月27日
24日だったか25日だったか、定かではないが、商法が改正され、
株主総会の諸手続きにインターネットが利用できるようになっ
たという報道があった。今後、商慣行に関する法律はどんどん
改正されていくであろう。弁護士は大変だな。そんな気持ちで
新聞を読んでいた。

電子マネーを内臓した携帯電話。財布代わりに使える携帯電話。
今ドコモとKDDIが前面に出て次世代の財布を開発しててくれて
いる。が、所詮彼らはネットワーク屋である。そして所詮、世
の中は金である。あらゆる形態の「金」を回し転がしている金
融機関が、IT業界を、世界をマイクロソフトより大きな顔をし
て牛耳るようになると私は思う。
先週、アメリカである証券会社がNextWaveという携帯電話会社
への出資を決めた。証券会社は、株主還元という小さなリター
ンを期待しているのではなく、全ての商取引を手に収め、お金
の流通を支配しようという野望を秘めているのではないかと思
う。出資はそのための布告ではないか。金融機関が通信産業に
参入し、NTTのようなコテコテのIT企業に成りすましていると
いう例は他にもあるが、それはいずれは主たる「金」がネット
ワーク上で流通していくという読みがあるからだと思う。金融
機関が「先物」とか「投資ファンド」といった新しい金融商品
をつくるのと同じ発想で、TCP/IPではなく全く新しいプロト
コル上で、新しいOSで動く「電子マネー」を開発してもおもし
ろいじゃないか。