通信アナリストの眼 INDEX


渡辺真由美のフリー・通信アナリストの眼




8月10日
7月末時点でのADSL加入者数が発表された。40万。同時点でのCATVインターネッ
ト加入者数はまだ出ていないが、100万と推測する。足して140万。日本のブロー
ドバンド人口は約140万人である。
昨日には、米国の連邦通信委員会が集計した、米国のブロードバンド利用者数が
発表された。2000年12月の時点でADSLが200万、CATVインターネットが310万、衛
星等その他が200万で合計710万である。米国は世界一のブロードバンド国家であ
り、次に来るのは韓国で米国を激しく追い上げる。2001年6月末の時点で約500
万のADSL、そして約120万のCATVインターネットへの加入、合計620万である。

韓国が情報通信の先端分野で世界ナンバー・ツーに君臨することになるとは当の
韓国も思っていなかった。もし韓国の人々が英語を今よりも使いこなせていれ
ば、韓国発のスクリプト言語とかOSとか、あるいはアプリケーションとか、グロ
ーバル標準となる技術が生まれていたに違いない。韓国の社会現象となった「ど
うにも止まらないADSLサービスへの申込み」は昨年の春から顕著になっており、
元国営のコリア・テレコム、ハナロ・テレコム、オンセ、スルーネット等が、今
日この日本で見られる価格下げ競争を繰り広げていた。こういった事業者間の競
争に加え、パソコン通信文化がもともと発達していたことが韓国を世界ナンバー
2に押し上げたというのが通説である。また、私の知人はこうも言っていた。数
年前、韓国は経済危機に見舞われていた。タイ、マレーシアと並んでアジアの厄
介物であった。韓国人は閉塞感を打ち破るために、希望を見つけるために、情報
の宝庫と謳われていたインターネットに群がったのではないかと。この説を証明
する裏付けがあるわけではないが、非常に印象に残ったので紹介する。