戦争と音楽の深い関係 |なんとなく感想文 homehome

暗号解読の才能




暗号解読の才能は、「チェス、音楽、数学」の才能と連動する。
そして、この3つの才能において、ソ連人は、西欧+米よりも優れていたという。

しかし、コンピューターの進化により、暗号も、個人のスキルに依る美しさが乏
しくなった。暗号化したものをさらにもう一度暗号化するところまでは人間業で
いけるのだが、コンピューターによりこれを何千回と繰り返すような物量作戦に
なってしまった。1兆通りのキーワードを2〜3時間で全部試せるようになった
ので、もう優れた暗号に、ロシア人の芸術美学が存在しえる余地はないようだ。

第二次世界大戦直後までの暗号戦は弓矢の戦い、コンピューターが導入されてか
らは大火力物量作戦といわれているそうだ。米国などでは、暗号は武器と認定さ
れているため、輸出などにも制限がある。軍楽隊の武器は楽器でなく暗号だった
のか。楽器にはまだ輸出制限ほとんどないよね。
「暗号戦争」(小学館)

後半部分は、インターネット時代における暗号の話になっていて、あまり独自性
のあるおもしろい内容ではないが、上記の音楽隊のことのように、1冊の中に
は、たった数行のピンとくるものが各自それぞれにあるかもしれない。暗号群の
中から自分向けのキーワードを探し出す感じ。探し出せない人は「つまんない」
と言うかもしれないが、それは暗号能力が劣っていることだったりして。