印刷部数が数万部と、軍事本にしては多いので、
価格は５２４円＋税、と低価格。


　「意外と強いぞ」というタイトルで、実は、自衛隊の弱点も満載の本。日本の
国防計画をその特殊な民族性を考慮しなければならないため、外国のものとは異
なってくる点など、日本人の特性にまで多岐に渡り内容とした。また、軍事専門
家がほとんど避けて通る「戦争の中で、音楽を戦略的に使う」という項目でも、
1章を割いているなど、数多い自衛隊本の中で、かなり他との差別化を実現でき
たかな。執筆者が音楽家であるからこそ、できる芸当だね。陸上自衛隊にバグパ
イプを導入しようとした日の秘蔵写真なども掲載。

　２１世紀に入ってから、自衛隊をテーマにした本は、「自衛隊ベタ褒め」本ば
かりが目立った。それは、軍事も戦争も知らない人が取材するのだから、自分た
ち民間人のできないことをやっている自衛隊を「凄い」と素直に感激してしまう
のは仕方ない。だけど、戦場で戦う本物の軍隊の動きを見て、自衛隊の中身も
１５年以上も見てくると、弱点欠点から先に目についてしまう。まあ、そんな思
いをいだきつつ書いた1冊です。今回、中国やロシアに強い古是三春さんを共著
の相手に選んだのは、いろいろな思惑があってのことですが、その思惑ってなに
か、これは、クイズってことにしときます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
(加藤健二郎)



意外と強いぞ自衛隊!解き明かされた55の真実―大公開!!「使える軍隊」の新常識!!!